窮鼠猫をも噛む?…勢いも大切だと実感した体験の報告です
Posted: 2016年5月05日(木) 01:35
こんにちは、すたあです
普段は Twitter でぎゃーぎゃー騒いでいる私ですが、こうしてフォーラムで自分のトピックを立てて投稿するのは初めてということもあり、ちょっと緊張しています。乱文・乱筆お許しくださいませ 状況説明が必要なため、長くなることについても初めにお詫び申し上げます。
さて本題に入ります。
私、この4月から大学院生になり、久しぶりの学生生活がスタートしました。医学系研究科(看護学)ということもあり、私が所属している研究室には海外からの留学生が多く、前期課程・後期課程を合わせても、普段から院生部屋にいる日本人は私ともう一人しかいないいう、予想以上にシビアな環境です
もちろん、ここは日本ですし、日本の大学ですから、お互いに日本語で話すわけで、それでも説明がつかない時に英語で2、3言挟めれば十分かな、くらいに考えていたのです。それでも不安でしたので、私は入学前から「ついていけなかったらどうしよう」「通じなかったらどうしよう」と Twitter やすぴなっちでは不安を吐露し、自分の師匠 (Ryota さん)にも相談していました。結論としてまずは相槌から始めようということになり、そのための準備をしようとしていたのでした。
...しかし、そんなことを言っている場合ではなかったのです。現実は甘くなかった!!
北アフリカ地方からの留学生が、なんとひらがなも読めない状態で来日したのです。当然、「こんにちは」以外の日本語は話せないし、通じません。しかも、文化の違いはあるのでしょうが、大学でのルールを全く無視した行動を取ることが多く、それについて、ルールがどのようになっているかを私たちが説明しなくてはなりません。今まで Tadoku を続けてきた甲斐あって、言われていることは大体わかるのですが、とにかくそれに対してどう返していけばいいのかわからないまま、言葉が出ないまま、初日(金曜日)は終了してしまいました。今後どうしようかな、と悩むものの、誰に相談できるでもなく週末が過ぎて行きました。
明けて月曜日、ゼミの時間のことです。ゼミは院生だけではなく、学部の卒研生も合同で行われます。その日は年度初回であり、まずは自己紹介から、ということもあり、北アフリカから来た留学生が発表担当として、彼自身のこと、これまでの研究成果、今後の目標について「英語のみ」で話してくださったのです。…かなり早口だったということもあり、その場にいた人達はみんな、動きが固まってしまったのです。教授が「みんな、何か質問ある?」とサジェストしても、部屋の中は静まり返るばかり。…ただ、私は彼の発表の内容が、日本の状況とはあまりにもかけ離れているということだけは理解できたため、そのことについて思い切って英語で質問することにしました。守秘義務があるため内容については書けませんが、「その状況になるのはなぜか?」「そこにはこのような設備があるか?」というようなことを、それこそ今まで読んだ本の表現の中から思い浮かぶまま、訊いていきました。それでも初めのうち、周囲はぽかーんとしているばかり。やはり早口で返ってくるため、 "Would you speak more slowly?" と何度も何度もお願いして状況を詳しく理解できるようにしていったのです。それを繰り返すうちにまわりからは 「え?本当に?」「日本では考えられない」などのような反応が聞かれるようになっていきました。そして彼が何かを言うたびに、みんなは私の方をじっと見るように…
私だって自信があって話している訳ではないのですが、臨床経験がある分、状況把握はできていることだけは確かです。なので、「もう、なるようになれ!」ととにかく会話を成立させていき、その日は何とか終了できました。
大変な状況はさらに続きます。相変わらず彼の行動にはちょっとしたインシデント・アクシデントが伴い、時には研究室以外の場所でもそれが見られるようになりました。私たちはそのことについて都度都度で彼に助言しようとするのですが、彼はとにかく人の話を最後まで聞きません。"You'd better..." と言いかけたところで私達の話を遮り、自分の主張をばばばーっと早口でまくしたて始めるのです。でもそれじゃいつまでも解決しません。そこで私は遂に語気を強めて言ってしまったのです。
"Stop!"
と。普通に考えたらかなり失礼ですよね。しかもイスラム教信者の男性に、女性から。「しまった!」と思ったのですが、それでも彼はやっと言葉を止めてくれたのです。私はほっとして "Can you hear me?" と訊くと "Yes" と答えたので、そこからやっと助言に至ることができました。
これは私達にとって、とても大きな経験でした。彼は基本的に相手の話を遮る癖があることもわかりました。それでも私達は円滑に作業を進める必要があり、そのためには私達も明確な意思表示をしなければなりません。そこで私達は、本当に必要な1語だけで意思表示をするようになりました。それはなんと、
"Stop!" "Wait." "Submit." "Now!"
だけなんです(笑)…でもちゃんと通じるし、その後の話を受け入れてもらいやすくなるんです。あぁ、これだけでいいんだと気づいて、ほっとすると同時に、英語で話すことに対して、だんだん恐怖がなくなって行きました。
今は彼に対して少しずつ日本語も混ぜつつ、基本は英語でコミュニケーションを取っていますが、お互いのことが理解できつつあることも手伝って、最初の頃のように気合いを入れなくても話せるようになってきました。
「窮鼠猫をも噛む」とはよく言ったもので、このようにのっぴきならない状況に追い込まれると、不安なことでも意外になんとかなるものなんだなぁ、勢いも大切だなぁ、と実感したのでした。そして、毎日少しずつでも洋書を読み続けていたことで、突然言われた言葉でも大体理解できて、何となく返すべき表現がとっさに浮かんできたというのは驚きでもあり、これが Tadoku の効果なんだな、と感じています。普段読んでいるだけではなかなか成長を実感できなかった私ですが、このような事態にあって初めて、続けることの大切さと自分が少しづつでも成長できていることを感じることができて、また楽しく続けていこうというきっかけができました
またこれをきっかけに、研究室の友人が Tadoku に興味を持ってくれたので、これからは二人で楽しんで行こうと思います
今回はこんな感じですが、また何かあったらここで報告したいと思います。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。ではみなさま、Happy reading!
普段は Twitter でぎゃーぎゃー騒いでいる私ですが、こうしてフォーラムで自分のトピックを立てて投稿するのは初めてということもあり、ちょっと緊張しています。乱文・乱筆お許しくださいませ 状況説明が必要なため、長くなることについても初めにお詫び申し上げます。
さて本題に入ります。
私、この4月から大学院生になり、久しぶりの学生生活がスタートしました。医学系研究科(看護学)ということもあり、私が所属している研究室には海外からの留学生が多く、前期課程・後期課程を合わせても、普段から院生部屋にいる日本人は私ともう一人しかいないいう、予想以上にシビアな環境です
もちろん、ここは日本ですし、日本の大学ですから、お互いに日本語で話すわけで、それでも説明がつかない時に英語で2、3言挟めれば十分かな、くらいに考えていたのです。それでも不安でしたので、私は入学前から「ついていけなかったらどうしよう」「通じなかったらどうしよう」と Twitter やすぴなっちでは不安を吐露し、自分の師匠 (Ryota さん)にも相談していました。結論としてまずは相槌から始めようということになり、そのための準備をしようとしていたのでした。
...しかし、そんなことを言っている場合ではなかったのです。現実は甘くなかった!!
北アフリカ地方からの留学生が、なんとひらがなも読めない状態で来日したのです。当然、「こんにちは」以外の日本語は話せないし、通じません。しかも、文化の違いはあるのでしょうが、大学でのルールを全く無視した行動を取ることが多く、それについて、ルールがどのようになっているかを私たちが説明しなくてはなりません。今まで Tadoku を続けてきた甲斐あって、言われていることは大体わかるのですが、とにかくそれに対してどう返していけばいいのかわからないまま、言葉が出ないまま、初日(金曜日)は終了してしまいました。今後どうしようかな、と悩むものの、誰に相談できるでもなく週末が過ぎて行きました。
明けて月曜日、ゼミの時間のことです。ゼミは院生だけではなく、学部の卒研生も合同で行われます。その日は年度初回であり、まずは自己紹介から、ということもあり、北アフリカから来た留学生が発表担当として、彼自身のこと、これまでの研究成果、今後の目標について「英語のみ」で話してくださったのです。…かなり早口だったということもあり、その場にいた人達はみんな、動きが固まってしまったのです。教授が「みんな、何か質問ある?」とサジェストしても、部屋の中は静まり返るばかり。…ただ、私は彼の発表の内容が、日本の状況とはあまりにもかけ離れているということだけは理解できたため、そのことについて思い切って英語で質問することにしました。守秘義務があるため内容については書けませんが、「その状況になるのはなぜか?」「そこにはこのような設備があるか?」というようなことを、それこそ今まで読んだ本の表現の中から思い浮かぶまま、訊いていきました。それでも初めのうち、周囲はぽかーんとしているばかり。やはり早口で返ってくるため、 "Would you speak more slowly?" と何度も何度もお願いして状況を詳しく理解できるようにしていったのです。それを繰り返すうちにまわりからは 「え?本当に?」「日本では考えられない」などのような反応が聞かれるようになっていきました。そして彼が何かを言うたびに、みんなは私の方をじっと見るように…
私だって自信があって話している訳ではないのですが、臨床経験がある分、状況把握はできていることだけは確かです。なので、「もう、なるようになれ!」ととにかく会話を成立させていき、その日は何とか終了できました。
大変な状況はさらに続きます。相変わらず彼の行動にはちょっとしたインシデント・アクシデントが伴い、時には研究室以外の場所でもそれが見られるようになりました。私たちはそのことについて都度都度で彼に助言しようとするのですが、彼はとにかく人の話を最後まで聞きません。"You'd better..." と言いかけたところで私達の話を遮り、自分の主張をばばばーっと早口でまくしたて始めるのです。でもそれじゃいつまでも解決しません。そこで私は遂に語気を強めて言ってしまったのです。
"Stop!"
と。普通に考えたらかなり失礼ですよね。しかもイスラム教信者の男性に、女性から。「しまった!」と思ったのですが、それでも彼はやっと言葉を止めてくれたのです。私はほっとして "Can you hear me?" と訊くと "Yes" と答えたので、そこからやっと助言に至ることができました。
これは私達にとって、とても大きな経験でした。彼は基本的に相手の話を遮る癖があることもわかりました。それでも私達は円滑に作業を進める必要があり、そのためには私達も明確な意思表示をしなければなりません。そこで私達は、本当に必要な1語だけで意思表示をするようになりました。それはなんと、
"Stop!" "Wait." "Submit." "Now!"
だけなんです(笑)…でもちゃんと通じるし、その後の話を受け入れてもらいやすくなるんです。あぁ、これだけでいいんだと気づいて、ほっとすると同時に、英語で話すことに対して、だんだん恐怖がなくなって行きました。
今は彼に対して少しずつ日本語も混ぜつつ、基本は英語でコミュニケーションを取っていますが、お互いのことが理解できつつあることも手伝って、最初の頃のように気合いを入れなくても話せるようになってきました。
「窮鼠猫をも噛む」とはよく言ったもので、このようにのっぴきならない状況に追い込まれると、不安なことでも意外になんとかなるものなんだなぁ、勢いも大切だなぁ、と実感したのでした。そして、毎日少しずつでも洋書を読み続けていたことで、突然言われた言葉でも大体理解できて、何となく返すべき表現がとっさに浮かんできたというのは驚きでもあり、これが Tadoku の効果なんだな、と感じています。普段読んでいるだけではなかなか成長を実感できなかった私ですが、このような事態にあって初めて、続けることの大切さと自分が少しづつでも成長できていることを感じることができて、また楽しく続けていこうというきっかけができました
またこれをきっかけに、研究室の友人が Tadoku に興味を持ってくれたので、これからは二人で楽しんで行こうと思います
今回はこんな感じですが、また何かあったらここで報告したいと思います。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。ではみなさま、Happy reading!